相馬焼の歴史

江戸時代からの歴史を持つ伝統工芸品
雑器だからこそ、使われることで命が宿る

大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)は、福島県双葉郡浪江町大堀地区で生産されていた焼物です。昭和53年、国の伝統的工芸品に指定され「大堀相馬焼」として広く知られています。

江戸時代からの歴史を持つ焼物としても知られており、当時相馬藩は、これを藩の特産物として大堀地区に焼物の役所を置いて、資金の援助や粘土の確保などをしながら、ひたすら守り続けました。
これにより大堀地区の窯業は近隣に普及、江戸時代の終わりには窯元も100軒以上になり、販路も北海道から関東一円まで広がり、一大産地へと発展を遂げ、大堀相馬焼は日常の器(= "雑器")として人々の生活へと溶け込んでいきました。

最近では東日本大震災の影響により生産が滞っていましたが、震災時24軒あった窯元の内、現在9軒の窯元が故郷を離れ、福島県内の各地で再開しています。

大堀相馬焼の代表的な特徴として、「二重構造」であることと、狩野流の力強い「走り駒」があげられますが、現在では各窯元のオリジナリティある作品が作陶されるようになっています。

  • 大堀相馬焼 京月窯 十四代 近徳(先代)が走り駒を描く様子
  • 大堀相馬焼 京月窯制作 相馬焼の代表的な二重構造の湯のみ
  • 大堀相馬焼 京月窯のギャラリーエントランスの様子
  • 大堀相馬焼 京月窯 走り駒が描かれた大皿の素焼き

15代に渡る技術を伝承しながら
女性の視点でしなやかに変化する大堀相馬焼

当京月窯は、日常的に使用していただく「器」を作製することを基本理念として、日々作陶に励んでいます。

だからこそ常にお客様の声に耳を傾けながら、ひたすらニーズを敏感に吸収することを意識して、それを反映した作品・作風を醸成することを使命感としています。

そのために、ギャラリーに無料のコーヒーコーナーを設け、実際に器で提供することによって使用感や色味感について批評をいただきながら、ゆったりとした滞在時間をお過ごしいただくことも大事な「おもてなし」のひとつと考えています。
そうすることによって特に女性の目線で見える器感を必然的に体感することも重要であると捉えています。

  • 福島市飯坂町の「摺上亭大鳥」で提供されている郷土料理「福島お膳」の器に採用頂いた、大堀相馬焼 京月窯が作陶した器のイメージ1
  • 福島市飯坂町の「摺上亭大鳥」で提供されている郷土料理「福島お膳」の器に採用頂いた、大堀相馬焼 京月窯が作陶した器のイメージ2
  • 大堀相馬焼 京月窯 ランプシェード
  • 大堀相馬焼 京月窯付近の果樹園にて撮影